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テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-79

サイバー攻撃(Cyber Incident)×マネージドセキュリティ(Managed Security)=サイバー セキュリティテック(CybersecurityTech)1 企業リスクマネジメントから国家安全保障まで

 政府は 9 月 27 日、首相官邸で「サイバーセキュリティ戦略本部」が開かれ、次期サイバー セキュリティ戦略の方針を決めました。

 そして、10 月 14 日、アメリカのバイデン政権が主 催となり日本、イギリス、EU、オーストラリア、インド、韓国など 30 カ国がサイバー攻撃 対策を話し合う国際会議が開催され、特に身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」に対し てグローバル安全保障上の脅威であると認識が一致し、初めて中国・ロシア・北朝鮮の 3 カ 国の国名を出し各国間の情報共有を進め、協力する方針が定められました。

 また、国内企業では、みずほ銀行が 9 月30 日に今年 8 回目となるシステム障害を起こし、 10 月 5 日の Suica の 10 時間ダウン、NTT ドコモが 10 月 14 日に「DDoS 攻撃」による 12 時間以上の通信障害を起こすなど、この一カ月以内で海外の Facebook など、テック産業の サイバーセキュリティ・インシデントが深刻な問題となっています。

 中国のサイバー攻撃部隊は、ロシアが 2014 年にウクライナ南部クリミアを併合したときに 行われたサイバー攻撃の際、既に専門部隊が 3 万人がいたそうですが、現在は 5 万~6 万人いると言われています。しかし、日本の自衛隊のサイバー部隊は陸海空合わせて約 500 人で す。 また今年、防衛省は自衛隊がサイバー領域での防衛力の強化を進め防衛大網に宇宙、電磁波と領域を広め、19 年からの AI サイバーセキュリティ対策も考えると、スケール感や日々進 化する攻撃に対して不安は隠せません。

そして、政府は武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われた場合は、「自衛権の行使ができる」としていますが、政府の方針として明確化されてないのにも不安を感じます。

しかし、自民党総裁選で、高市早苗さんが経済安全保障の国防力の強化について『一番怖い のが衛星を破壊され、海底ケーブルを切断され、変電所をサイバー攻撃されてブラックアウ トが起きたら、日本はもう防衛が出来ません』とサイバーセキュリティについて語られてい ましたが、この意見には私も賛成です。

今こそ、海外からのサイバー攻撃から守れる日本は国力を強靭化するべきだと私は考えます。

 

テック産業アナリスト のと裕行でした。 ありがとうございました。