テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-77

今まで「テック産業」の解説をするときは、個人的に留学経験のあるアメリカのシリコンバ レーを中心に【GAFA(Google・アップル・Facebook・Amazon)】や【マイクロソフト】 を代表例として紹介してきましたが、実は今、中国発の「テック産業」が世界的にも影響力 を持ち始めてホットです。

その中でも、次に有名なのは中国の GAFA といわれる【BATH(バイドゥ・アリババ・テンセン ト・ファーウェイ)】ですが、ここ数年で更なる勢力も影響力を増しています。

それが 【TMMD(トウティアオ・メイチュアン・シャオミー・ディディ)】です。

今回は、日本だけでなく世界経済に影響を及ぼす「中国テック(ChinaTech)」を紹介します。

まずは【BATH】!

【BATH】のB

バイドゥは、「紅いグーグル」といわれ、中国のシリコンバレーといわれる北京・中関村で 1999 年、アメリカの IDD やインフォシークで働きネットバブルを経験したロビン・リーと 共同創業者のエリック・シーの二人で旗揚げし、2011 年には中国一の資産家となりました。 しかし、スマートフォンへのシフト転換に失敗し株価も低迷し、新興勢力に大きく離され、 日本の進出も早かったが基本的には撤退しています。

とはいえ、切り替えも早く 2020 年には日本の良い商品を中国消費者に販売する『バイフン バイ(百分百)』を立ち上げたり、コロナ禍における感染拡大をきっかけに中国全土に広が った「データ共産主義」を先取りし中国政府に大きく貢献しています。また最近では「自動 運転」や「AI」参入したり、日本では 2021 年 9 月「博報堂 DY ホールディングス」と戦略 的パートナーシップを結び、中国でのビジネス展開をする日本企業のサポートを行います。

【BATH】のAのアリババ

1998 年にジャック・マーによって設立され、Yahoo!の創業者ジェリー・ヤンとソフトバン クの孫正義と交流があり、現在は日本ソフトバンクのグループ会社でもあります。 そして、現在は EC(電子商取引)の分野で圧倒的な地位を築き、2019 年度の GMV(総流通 額)は 1 兆ドルを突破し世界一となっています。 最近では、習近平指導部が取り組む「共同富裕」促進事業に約 1 兆 7 千億円を拠出するこ とが明らかになり、発展が遅れてる地域のデジタル化の促進や農業の産業化などにも取り 組んでいます。

【BATH】のT、テンセント

2021 年 8 月に国営新聞が、子どものゲームは精神的アヘンだと強く批判され、好調だった ゲーム事業だったが株価が一時 11%も急落し話題になりましたが、12 歳未満の子どもに対 するゲームの禁止の可能性を示し落ち着いています。

テンセントは、1998 年にイギリスのケイマン諸島され、広東省に本拠地を置く、付加価値 サービスとオンライン広告サービスの提供と投資を中心とした SNS、インスタントメッセ ンジャーアプリ、ホスティングサービスの会社です。 特にゲーム・映画・漫画アニメ・スポーツ関連事業が強く日本でも SONY、任天堂、セガ、DeNA、バンダイなどとも事業提携しています。

また、出資関係も今年「楽天」に約 657 億円の出資が決まり楽天と日本郵政との今後につ いても話題になっています。

【BATH】のF、ファーウエイ

現CEO任正非（じん・せいひ）氏が1988年に人民解放軍の元仲間６人と起業した企業です。

電話交換機・火災報知器を作り始め、他社の製造した構内交換機の販売代理事業を手掛けました。1993年に大型のデジタル交換機を開発。有線から無線通信の交換機製造に舵を切りました。このあたりは少し、黒電話と電話交換機製造からスタートした富士通と生い立ちが似ている部分があります。

このファーフェイは今や世界第2位のスマートフォン製造メーカー、中国通信設備最大手です。

話題になっているのは、10月1日に任正非の長女で、同社副会長の孟晩舟氏が米国との司法取引の末カナダで釈放されたことです。彼女は3年間拘束されていました。

次回は、ここ数年で勢力、影響力を増している

【TMMD(トウティアオ・メイチュアン・シャオミー・ディディ)】について紹介します。

テック産業アナリスト　のと裕行でした。ありがとうございました。