スポーツ(Sports)×テクノロジー(Technology)=スポーツテック(SportsTech)オリンピックを支えるテクノロジー その2
しばらく夏休み、そしてオリンピック・ パラリンピック開催のお休みを、いただいておりました。
暑い夏も過ぎ、秋のさわやかな風が吹くようになってきましたね。
今回のコロナ禍での
「東京オリンピック・ パラリンピック競技大会」においては、
運営や選手のパフォーマンスやトレーニング、視聴者の観戦など、スポーツを陰で支える様々な「スポーツテック」に注目してきました。
前回のコラムでは【スポーツテック】の活用方法6つの中から、
1 アスリートを強く、
2 アスリートを守る、
3 アスリートが勝つ、
の3つをご紹介しましたが、
今回は残りの3つをご紹介します。
4 より正確な審判
5 見せる技術力
6 エンターテイメント力 です。
4つ目 「より正確な審判」
AI を活用した採点や分析、測定、判定。
富士通では、体操競技において、審判員の採点方式をサポートをするテクノロジーを、
日本体操協会との連携により、オリンピックに導入しています。
それはどういうものか?といいますと、
富士通が独自に開発した3Dレーザーセンサーを利用し、選手の動きを立体的に正確に捉え、技のデータベース辞書とマッチング突合して判定・採点するのです。
日本体操協会がこれまで培ってきた採点ノウハウと、富士通研究所の最先端技術を融合させた、
"3Dセンシング技術を用いた体操競技採点支援" と言えます。
ご参考
https://blog.global.fujitsu.com/jp/2017-03-24/01/
5つ目 「見せる技術力(視聴観戦を支える最新技術 )」
オリンピックでは、プロセッサ、5G、AI、没入型メディア(VR/3D/360 度)、ドローン など最先端テクノロジーが、見せる技術力で大会を支えました。
インテルは、オンライン視聴体験として AI を用いたコンピュータービジョンソリュー ション『3DAT』を導入し、肉眼では判別しにくい加速度、時速などが可視化され、
陸上の短距離種目の再生時に導入されました。
NTT は「TOKYO2020 未来のスポーツ観戦プロジェクト」として、バトミントン競技 ホログラフィック映像のライブ伝送を実施しました。
無観客の試合で、少し残念でしたが。。。
ご参考
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1339378.html
https://www.asahi.com/articles/ASP826VYFP82ULFA00Q.html
6つ目 「エンターテイメント力(スポーツエンターテイメント)」
オリンピック・パラリンピックの開会式を振り返ってみましょう。
150億円をかけ、賛否両論あった開会式ですが、新国立競技場の夜空に浮かび上がった東京オリンピックのエンブレムや、立体的な地球の姿には感動しました。これは、インテルの 1824台のドロ ーンによって描かれたものです。
これだけではなく、これからのスポーツはよりエンターテイメントの要素が加わり、国や人種、言語や文化など関係なく、人々に感動と喜びを提供します。
元々、東京オリンピック・パラリンピックは、「東日本大震災からの復興」をコンセプトに開催するのが、日本政府の目的だったわけです。
コロナ禍により、そのイメージはなくなったように感じてしまっていますが、その大切なメッセージが込められているシーンがありましたので、皆さんにも是非知って頂きたい。
それは、表彰式の時にメダルと一緒に授与される「ビクトリーブーケ」です。
実はこの花束には、復興への願いが込められた 3 つの県を象徴する花が使われています。
1つ目は、福島産の「トルコキキョウ」「ナルコラン」、
これは震災の影響で農作物の出荷が減ってしまった当時、県や地元の方々が協力して、花を栽培することで復興への希望を見出した花です。
2 つ目は、宮城県産の「ヒマワリ」で、
震災で子どもたちを亡くされた親や身内の方々が、 子どもたちが避難するために目指した丘に「ヒマワリ」を植えました。
その丘では毎年「ヒマワリ」が咲くようになり、被災者の方々の思いが込められた花です。 この話は絵本にもなりました。
3 つ目は、岩手県が代表する花の「リンドウ」です。
日本で出荷される「リンドウ」の半分以上は岩手県産で、東京 2020 エンブレムと同色で、藍色の美しい花が咲きます。
このように、ブーケを彩る3県の花には、こうした意味合いがありました。
オリンピックも終わってしまいましたが、
表彰式での「ビクトリーブーケ」に、大切なメッセージがこめられていたのです。