65号アート(Art)×テクノロジー(Technology)=アートテック(ArtTech)ブロックチェーンが生んだNFTアートという資産
●ブロックチェーンと大切な資産と
私達の大切なもの。それを安全・確実にしっかり管理したい。その方法の一つをご紹介します。
それはデジタルデータとブロックチェーンを活用して管理する方法です。
今までデジタルデータといえば、 簡単にコピーや改ざんも可能で、 資産や販売物として価値を持たせるのは難しかったのですが、ブロックチェーン技術により、「唯一それが本物である」ことが証明出来るように可能になりました。
私達の身の回りのものの中で、生活、衣食住の中で何が1番大切なのか?
人によってそれぞれ違いますが、一つの例として衣食住の住の中の不動産を例にあげてみたいと思います。不動産の登記情報、売買の情報、建築されている建物のデータ、その耐震強度データ、近隣の環境の情報、土地の地質情報等をブロックチェーンを使って永遠に蓄積していくことが可能です。それを公開する部分、非公開の部分に区別して管理できます。
いずれ、将来、国がこのシステム・仕組みを導入することになると私は思います。
今週はこの、ブロックチェーンにフォーカスしてお話をさせていただきます。
●NFTという新たなアートの可能性
アートの世界がブロックチェーン技術によって大きく変わろうとしています。
それが、【NFTアート】です。
【NFT】は、「Non-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)」、日本語で言うと「非代替性(ひだいたいせい)トークン」といって、ブロックチェーンのデジタル台帳上におけるデータの単位です。つまり、デジタルデータを活用したアートの暗号資産版です。
今までデジタルデータといえば、簡単にコピーが出来たり改ざんも可能で、資産や販売物として価値を持たせるのが困難でしたが、ブロックチェーン技術により、「参加者、購入者の相互検証」「所有権の証明」「資産価値の証明」が出来るようになり、一般の美術アート作品のように、『鑑定書』と『所有証明書』付きの、世界に一つだけの販売可能なデジタルアートが実現したのです。
また、この【NFT】は、元々は2017年頃からアメリカのプロバスケットボールリーグ「NBA」の トレーディングカードのデジタル版から始まり、それが更にはビデオクリップとなり、
「NBA」「メジャーリーグ」「F1」などが【NFT ゲーム】として発展したものです。
ですから、アートだけでなく、他にも画像・映像・音楽・書籍など、 様々なデジタルコンテンツが【NFT】として活用され、 新たなアートビジネスが、資産価値として、注目され始めました。
3月、こんな記事を目にしませんでしたか?
Twitterの創業者ジャック・ドーシーCEOが15年前に投稿した初ツイートがネット上で競売にかけられ約3億1700万円(291万ドル)で落札!
他にも世界最大のオークションサイト「クリスティーズ」で、デジタルアート作家のビープル氏の作品が約75億円(6934万ドル)で落札!!
日本でも、VRアーティストのせきぐちあいみさんのVRアート作品が1300万円で落札!!!
などなど、まさにセンセーショナルな話題が世界を巡りましたが、これらは全て【NFTアート】です。
もちろん、コンテンツはこれだけではありません。
イーロンマスクのアート作品が約1億円で落札されたり、日本では、バーチャルスニーカーが140万円で販売されたり、大坂なおみ選手のお姉さんの大坂まりさんがデジタルアートを販売したり、出版業界でも【NFT】を活用したデジタル出版が動き出しています。
そして4月、日本でも【NFTアート事業】への参入が次々と発表されました。
「メルカリ」はブロックチェーン事業の子会社を設立し【NFT】に参入、「GMOインターネット」は、希少性の高い【NFTマーケットプレイス】を提供すると発表、「エイベックス」は、デジタルコンテンツの著作権保護や流通事業を【NFT】で、出版取次大手の「トーハン」はデジタル付録付きサービスを【NFT】で展開、まだまだ数えきれない事業化がこの数ヶ月で目白押しです。
●日本の未来を担うアーティストを応援したい
これらのスピーディーな事業化の背景に、私はコロナ禍が影響していると思います。
また、村上隆さんのように【NFTアート】の販売を延期したアーティストの方もいらっしゃいます。理由はテクノロジー環境の問題もあり、ライセンス条件がトークンに正確に反映されない場合もあることや、デジタルによる電力消費という環境問題に繋がるという懸念もあるからです。
しかし、前向きに考えれば、これらの問題は進化と共に解消されるはずですし、何よりも【NFT】により、今までのアートの在り方や可能性が大きく変わり、アーティストの方々のターゲットもグローバルになり、チャンスは大きく拡がりました。
だから私は、日本のアート界の未来を担う若いアーティストの方々が、【NFTアート】をキッカケに世界で活躍されることを心から期待します!そして、応援しています!