58号ヒューマン・リソース(Human Resources)×テクノロジー(Technology)=HRTech②ジョブ型雇用というメジャーリーグチーム
●日本の「ジョブ型」は、「雇用」ではなく「ジョブ型人事」から
今回は、【HRTech】の第二弾として【ジョブ型雇用】の話をしたいと思います。
実は、先日のコラムでも取り上げたのですが、日経新聞のNEXTストーリーのコーナーで
『富士通再起動なるか』と題して2月14日から5回に渡り富士通が特集されました。
内容は、東証問題から始まり、人事の見直しや新たな組織変革、未来プロジェクトへの取り組み方、そして、今までの枠に捉われないビジョンを掲げ、大企業としての本気で本音をさらけ出す「FUJITSU WAY」です。
そして、その中で未来プロジェクトを強力にけん引する新たなリーダーの【ジョブ型登用(人事)】が注目されていました。
この【ジョブ型】に関しては、私も以前から注目していました。何故なら、先ずは経団連が「ソサエティ5.0」としてコロナ前から推奨していたのもありますし、なによりグローバル企業が、今後生き残るために必要で欠かせない、グローバルスタンダードな「人事システム」だと思っていたからです。
しかし、日本の企業の【ジョブ型雇用】の考え方は、少しだけ海外スタンダードと違うようにも感じていました。
人に仕事を割り当てる「メンバーシップ型」から仕事に人を割り当てる「ジョブ型」への移行は、当然スキルとやる気のあるスペシャリストの新たな登用方法で間違いないのですが、これだけ聞くと、個人のスキルに依存してポストの責任や負担も大きく、なんだかイメージ的に大変に感じませんか?
しかし、私の考え方は少し違います。
もちろん、個人のスキルに対しての責任は負わなければなりませんが、それ以上に、経営陣の経営の戦略・戦術・リーダーシップの責任も同等に大きく、プロジェクトによっては、その責任を担当した経営陣も負わなくてはなりません。
●「ジョブ型」は「メジャーリーグ」のチームシステムだ!
そして、今まで以上にグループとしてのチーム力が必要なのも、私が思う【ジョブ型】です。
わかりやすく言えば、【プロスポーツチーム・マネージメント】の考え方です。
例えば、野球で例えるなら【ジョブ型雇用】は、「メジャーリーグチーム」を作るようなものです。
つまり今まで曖昧だった社員一人ひとりが、自分がこのチームのどこのポジションで活躍出来るスキルや経験があるのかを明確にすることでもあります。
僕は打撃が得意だけど、守るのは苦手なんで「DH」で頑張りたいとか、ピッチャーに向いてるけど50投まではスピードが安定してるから「リリーフ」向きとか、それぞれの細やかなスキルに合わせたチーム作りをします。
もちろん現場ではなく監督、コーチやトレーナーが向いてる人も必要です。
そして、各ポジションの評価も明確に問われますが、フロントや監督、コーチの経営陣も
「結果」に対しての責任が問われます。ある意味プロジェクトの成果も明確になり、チームとしての喜びも分かち合えるのも【ジョブ型メジャーリーグチーム】です。
そして、これからのグローバル時代はGAFAなどの「メジャーリーグチーム」と闘わなければ経営的勝利もありません。
我らが富士通も【管理職のジョブ型雇用(人事)】という新たなメジャーリーグチームを作るための未来型プロジェクトが動き出しました。