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テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-49

49号 ハウス(house)&ホーム(home)×テクノロジー(Technology)=ハウス&ホームテック①資産価値が下がらない「家」

新年明けましておめでとうございます。

今年も宜しくお願い致します。

2021年、第一回目のテーマは、衣食住の中で皆さんにとっても

一番の支出である「住」の今後について考えたいと思います。

 

●「家」の意味から「住」を考える

 

皆さんにとって【家】はどんな存在ですか?

 

元々の【家】の語源は、「いえ」のことを「いへ」と言い、その「いへ」の「へ」は、「竃(ヘッツイ)」、「かまど」のことを表していて、つまり「火」を「とも」にする集団の場所を「家」と言いました。

また、欧米での【家】は、聖書の語源が影響していて、人を下界から守ったり(cover)、隠れたり(hide)する建物の「house(ハウス)」という意味と、「家族」が一緒に暮らす我が家や故郷で、火を囲むというより「暖かさや」「ぬくもり」を「とも」にする「home(ホーム)」を指しています。

また、「人」はいつか亡くなりますが、【家】は無くならず継承するという意味もあり、これは日本も同じで、「家名」「家業」「家紋」「家産」などを一系的に存続させるべき、しきたりとも考えられています。

 

しかし、現代社会において欧米と日本の【家】には大きな違いがあります。

それは「家の平均寿命」と「資産価値」、そして「ライフスタイルや制度から生まれた価値観」です。

国土交通省が発表したデータによると、イギリスの住宅寿命は75年、アメリカは44年、日本は26年とされています。

この住宅寿命には、ライフスタイルとそれぞれのお国事情があります。先ず、欧米で親子の同居はありません。ですから日本の様に二世帯住宅もありません。

子どもたちが成長すれば家を譲り、自分たちはマンションに住んだりしますが、これはライフスタイルだけでなく老後の介護や年金の制度の違いがあります。

 

そして一番の違いは、不動産価値の問題です。

アメリカ人は8割以上の人が中古物件に住んでいます。何故ならアメリカの住宅は基本的に中古物件の方が価値が高いからです。それはDIY文化もあり家にお金をかけていくことで、「資産価値」が上がっていきます。日本人の感覚では、例えば20年も経てば価値は半分に下がるイメージですが、アメリカでは、2倍になる場合もあります。

それは各州にもよりますが、新規開発に対して様々な規制があり、新築物件が少ないのと住宅の目利き文化が浸透し、長く良い住み方をすれば、価値が上がるのを知っているからです。

つまり不動産投資としてのキャッシュフローが安定しています。

 

そして日本は、地震が多い国ということで、1981年に耐震基準が改正され、建築物に対して耐震補強がしいられたのですが、その際に政府も自治体もメーカーも、見栄えの悪い補強ではなく建て替えを推奨したのも大きな要因です。

とはいえ、日本人の「家」に対する価値観も「土地に執着するけど、家は新しい方が良い」という考え方です。

 

●【家】が【ホーム】になるために

 

しかし、私はこれからの日本の発展と、子どもたちの未来のためにも、【資産価値が下がらない家づくり】が必要だと感じています。そして、【資産価値が下がらない家づくり】が実現すれば、結果的に、日本という国に対する信頼を得るだけでなく、国民の方々が安心安全に暮らせる【日本というホーム】も実現するからです。

 

次回は、【資産価値が下がらない家づくり】ついて詳しく説明致します。