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テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-20

■6月13日(土) 20号 健康・医療(Health・Medical)×テック(Technology)= ヘルステック④ 最新&注目テクノロジーの紹介

2020年6月7日放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が、新型コロナウイルスの影響でこの回で一時中断となった。この日の放送21話は「決戦!桶狭間」で、今川義元(片岡愛之助)の勇猛な戦シーン、あえて晴れの日の演出などかなり盛り上がり、次回が待ち遠しく感じるほどでした。

放送は6月30日から再開が決まったそうですが、考えてみれば、1560年6月12日は、実際に「桶狭間の戦い」が行われた日です。NHKがこのタイミングに合わせたかどうかは分かりませんが、この日本の歴史を左右する奇跡の戦いを征した織田信長(染谷翔太)も「死のうは一定(いちじょう)」と、命を懸けた戦いでした。

 

 しかし、私がこの「桶狭間の戦い」で注目しているのは敗れた今川義元の嫡男「今川氏真(うじざね)」です。『麒麟がくる』には出て来ませんでしたが、戦の後に敵を討つ訳でもなく、家督は継いだがあっさりと大名を捨て、公家の遊びの蹴鞠の名人、歌道を極める文化人として、最後は家康に仕えた人物です。

 一般的には、名門の今川家の跡取りとして生まれたけど、父が偉大過ぎた軟弱なボンボンのイメージですが、私は違います。「人生の達人」だと思っています。武将としては名を馳せることは出来ませんでしたが、文化人としては、後水尾天皇が一流歌人を選んだ「集外三十六歌仙」に名を残し、何よりも妻や子、孫に囲まれ晩年は誰よりも幸せに生きたと思います。

通常は勝利した方が歴史としても語られますが、敗者だからこその人生の方が、意味があります。「桶狭間の戦い」で、東海一の弓取りと呼ばれた父や家臣を亡くし、人生が一転しましたが、それでもなお家族と共に強く生きている。そんな生き様こそ、私にとっては教訓です。

 

コロナアフターは、ある意味、戦国時代です。残るもの、変わるもの、無くなるもの、大事なものを見極めなければなりません。私は一介のサラリーマンからテック産業アナリストへ変わろうとしています。これまでもいろいろな機会を頂き、いろいろな知識を吸収してきました。しかし、自分で見極め情報を発信して、世の中へメッセージしていく・・・。

頭の中では分かっていても自分を変えるのは難しいです。人生何が起こるか分かりません。とはいえ、自分にしか出来ないことがきっとあると信じています。

偉そうなことを言っても、まだ、足軽ですが、足軽でも天下が取れる時代。例えこの年齢であっても。いや、この年齢だからこそ、勝負に出られるのかもしれません。

 

「今川氏真」のように、突然の状況でも自分の人生を変えられるかが、未来の成功の可否を握るのではないでしょうか。

そして、テクノロジーという戦国時代も、この健康・医療の世界も然りです。

●医療の最新テクノロジーを紹介

 

日々、進化を遂げる医療テクノロジー。皆さんに【ヘルステック】の最新テクノロジーを3つご紹介させて頂きます。

 

・1つ目は、「ウェアラブルコンピュータを活用したテレメディシン」です。

インターネットを利用して診察を行う遠隔診療は既に行われていますが、2020年以降は、

装着もしくは着用できる「ウェアラブルコンピュータ」と併用した診療が一般化すると私は思っています。

タイプとしては、腕時計型、眼鏡型、指輪型、靴型などがあります。

 

・2つ目は、「IoMT(インターネット・オブ・メディカル・シングス)」遠隔医療技術とIoTを組み合わせた新しい医療のアプローチです。

 

・3つ目は、「クラウド・ヘルスケア」膨大な医療のビッグデータを保管し、適切なデータをリアルタイムで共有できる環境が必要不可欠です。そして、AIと連携させデータ分析や

予測を実現するテクノロジーです。

 

●注目の【ヘルステック】を紹介

 

次は、私が注目する【ヘルステック】テクノロジーを2つ紹介します。

 

1つ目は、Motus Nova社が開発した「リハビリ用ロボティクス」です。

世界では年間1500万人以上の人が脳卒中発作に襲われるそうです。しかし、一命を取り留めたとしても後遺症が残ることも多く、その後のリハビリテーションが必要となります。そこに革命を起こしたのがこのテクノロジーです。

リハビリシステムとしては、世界一の低価格とポータビリティーを実現し、家庭でも治療を行うことを可能にしました。身体にエクソスケルトンという手足のパーツロボットを取り付け、AIと機械学習をビデオゲームを楽しむように治療できます。効果は通常の5倍と言われています。

 

2つ目は、エクソスケルトンです。

直訳すると外骨格ですが、一つ目のリハビリ用ロボティクスでも活用されています。この分野は幅広く、パラリンピックでも見掛けるハンディキャップの方の義足や義手なども、このジャンルに入ります。

日本では、筑波大学が開発した「ロボットスーツHAL」は、福島第一原発事件後の原発作業員に使われたり、現在、実用頻度の高いパナソニックの「ATOUN」や本田技研工業の歩行動作の補助を行う「リズム歩行アシスト」などがあります。やはり、それぞれの用途によって使い方も違いますが、個人的には家庭の介護を考えると、軽量でバッテリーが必要ない「レイボのエクソスケルトン」がおススメです。

 

まだまだ紹介しきれない【ヘルステック】が数多くありますが、医療という未来を切り拓く戦いは、まだまだ続きます。

 次回からは、エネルギーテックについてお話します。