ノット2『Facebookのlibra(リブラ)通貨でお金はどう変わる?②』
1月29日にFacebookが発表した2019年10~12月期決算は、売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新とニュースになったが、米株式市場の時間外取引で株価は急落した。常に話題の欠かないFacebookです。
今回のコラムのは、昨年6月に発表した「リブラ通貨」の本当の狙いのパート2になります。
・リブラは、信用を選択する通貨維新の幕開け!
「リブラ」は、世界のテック産業の代表であるFacebookが中心となりアソシエーション(協会)が作られ発行されます。そのFacebookは、何かと話題も多く、つい最近もCEOマーク・ザッカーバーグ氏が米国議会の公聴会に呼ばれ、心無い人たちの「リブラ」批判に対し、熱く人類の未来とプロジェクトのロマンを語っていました。私は、マーク・ザッカーバーグ氏に対して今までなんの感情もありませんでしたが、あまり表舞台に出なかった人が多くの議員たちに責められる中で頑張る姿に、思わず「頑張れ!」って応援したくなりました(笑)。とはいえ、この「リブラ」は、まだまだ不透明で不安要素もたくさんあり、実現不可能というか、企画通りに実現しないかもしれませんが、私は何故かときめいています。何故ならこのプロジェクトは、全世界の通貨を発行する国・政府に対する【挑戦】であり、私たち人類の生活経済に向けた未来への【メッセージ】ではないかと捉えています。
さて、Facebookの「リブラ」のトラストを無くす「トラストレス」は、壮大なテーマです。私たちが“通貨”で買ってきた、安心・安全・信用・信頼の神話が変わる可能性があるのです。今まで私たちは、日本をトラストして、日本の法律をトラストして土地の所有や建物を建て、銀行をトラストして“通貨”を預け借入、企業をトラストして商品を購入して来ました。それから、皆さんにも覚えがありませんか?いつの間にかトラストが当たり前になり、特に契約書類を殆んど読まずに了承、OKしていることです。スマホでアプリやSNSを使う場合、契約内容を読まずに了承していませんか?すぐにアプリを使いたいので、ゲームをしたくて、読まずにOKしているのが現状無意識のトラストです。
では、このトラストに対してFacebookの何か【挑戦】なのかというと、第一回目でノットイナフ(不十分)に感じていた全てが無くなる、もしくは姿が変わる驚きのプロジェクトだからです。
その内容は、「預けたお金は限度額関係なく保証されます」、「リブラでは金利の変動は僅かしかありません」、「元々紙幣がないので政府都合や社会情勢で変わったり換金する必要はありません」、「さまざまな手数料が低価格になります」、驚きです。
【挑戦】はこれだけではありません。「リブラ内では、国境なく取引出来ます」「世界で預金口座を持てない人が7億人がいますが、その方々を全て受け入れます」、「まだ具体策は未定ですが、Facebookなどの協力団体による還元をします(想像ですが、100いいね!は10リブラ通貨と換金など)」、「リブラのブロックチェーンによりオリジナルイーサリアムの実現」などなどプロジェクトビジョンは留まることはありません。
そして、その背景にあるのが、リブラ・アソシエーション(2019年6月の発表段階では、28団体でしたが、現在では21団体)です。米国議会を始めさまざま政府や団体、企業からのバッシングはありますが、Facebookのパワーが裏付けています。
Facebook、インスタグラム、ワッツアップなど登録者の数が何人いるかご存知ですか?これも驚きの約27億人です。世界の人口約77億人に対して、絶対数を考えるととてつもなくスケールが大きいのが分かります。また、アソシエーションや現在、協力表明をした約1500団体を加えると、30億~35億人がグループパワーとして存在します。地球の人口の約半分です。スケールの表現としては他にもパワーがあります。全世界の広告宣伝業界に於いて全雑誌広告料の売り上げを、昨年Facebookの広告収入が超えました。つまり雑誌に広告するプロモーション効果よりもFacebookの方が効果が上回るのです。
ちなみに日本では、2019年11月25日に米FacebookとKDDIが、次世代通信規格5Gのサービスをにらみ、日本国内向けのコンテンツ開発で連携を発表しました。特に5Gの商用化に合わせ、グループの「インスタグラム」で店頭の商品を撮影すると、化粧品を自身の顔の画像で試したり、洋服を試着出来たりするシステムで、その場で商品も購入できるようになるそうです。他にもVR・AR分野でのさまざまな開発が始まっています。
さて、皆さん、このFacebookの【挑戦】に対して、あなたは応援しますか、それとも反対しますか?そして、彼らの人類に向けた【メッセージ】は何だと思われますか?何を言いたいのかというと、これからの時代は、「信用」を選ぶ時代になったのではないかと、また同時に“通貨”によりさまざまな「世界の壁」が取り払われることになるのです。そして、われわれは、どの世界で生きていくのかを選ぶ時代になるんだと私は感じます。
あなたがFacebookの「リブラ」を選ぶのか、それとも円を選ぶのか、円の中でもどのテック産業の通貨を選ぶのか、それとも新たな仮想世界を選ぶのか、地元のローカルワールドを選ぶのかも、自由に選択できる時代に“通貨”がナビゲーションしてくれるのです。
【次回へ続く】
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